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今回は、集合動産譲渡担保の対抗要件具備方法について紹介させていただきます。集合動産譲渡担保契約に基づいて対抗要件を具備していないと、動産について第三者が権利主張をしてきたときに、その動産についての譲渡担保権を主張することができなくなってしまいます。
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例えば、倉庫にある在庫商品をまとめて担保に提供してお金を借りることができるととても便利です。そこで、判例法理上、動産をまとめて担保に提供するということが認められてきました。このような考え方を集合動産譲渡担保といいます。
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集合動産譲渡担保の法的性質には対立があります。そして、その見解ごとに、対抗要件具備方法が異なっています。ここでは、対抗要件具備の方法について、判例の立場を紹介させていただきます。
詳しい集合動産譲渡担保の法的性質の対立については、こちらをご覧ください。
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判例は、集合物論の立場のうち、おだやかな集合物論を採用していると評価できます。
その考え方は次のとおりです。
集合物論の立場は、内容が変動する「集合物」を観念するという立場です。そして、この集合物に対して譲渡担保権を設定するのが集合動産譲渡担保であると考えることになります。
集合物(集合動産)に対して譲渡担保の設定行為を行えば、個々の動産に対して譲渡担保の設定と対抗要件の具備という法律行為を行う必要はないという考え方ともいえるでしょう。
この集合物論のうち、おだやかな集合物論の立場では、集合物に対する譲渡担保権の設定行為により、個々の動産に対しても譲渡担保権が設定されることになります。このことは、個々の動産に対する個別の譲渡担保権の設定行為が不要であることを意味しています。
また、対抗要件については、集合物について備えていれば、個々の動産についても対抗力を備えたことになります。したがって、個々の動産について、個別に対抗要件を備える必要はありません。
以上のような前提を踏まえて、最高裁(最判昭和62年11月10日民集41巻8号1559頁)の示した対抗要件の具備の方法について検討します。
「おだやかな集合物論」の立場に従うと、譲渡担保権を設定した時点で1個の集合物について占有改定による対抗要件を具備することができます。
そして、後から保管場所に個々の動産が搬入されたとしても、集合物として同一性が損なわれない限り、新たな動産についても個別に対抗要件が具備されることになります。
したがって、集合動産譲渡担保の対抗要件の具備するためには、集合物を構成する動産について占有改定が必要になります。
具体的には、譲渡担保設定者が自己の占有物である集合物を構成する動産について以後譲渡担保権者のために占有する旨の意思表示が必要になります。

以上のように、占有改定だけで対抗要件の具備を認める考え方に対しては、占有改定による方法で対抗要件を具備できるとすると全く外観の変更がないことから実質的な公示の機能を果たさないという批判があります。このような批判を行う学説は、対抗要件の具備に明認方法を要求しています。平たい言葉でいえば、対抗要件を具備するためには、ネームプレートなどを貼らなければならないとする立場だといえるでしょう。

また、新たな法律の制定により、譲渡担保設定者が法人である場合には、占有改定以外の方法により対抗要件を具備できるようになりました。
法人が譲渡担保設定者である場合には、この制度を用いて引渡しの対抗要件を具備することができます(動産及び債権の譲渡の対抗要件に関する民法の特例等に関する法律3条1項)。
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その際には、「譲渡に係る動産を特定するために必要な事項」を動産譲渡登記ファイルに記録する必要があります(同法7条2項5号)。具体的には、「動産の種類」と「動産の保管場所の所在地」がこれに当たります(動産・債権譲渡登記規則8条1項2号)。
この2つの要求を充たす場合には登記をすることができ、その結果、集合動産譲渡担保権について対抗要件を備えることができることになります。ただし、この要求は、集合動産譲渡担保契約の有効要件(詳しくは、こちらをご覧ください。)よりも厳しいものになっています。
なお、集合動産譲渡担保の場合には、少なくとも対抗要件を備えるためには、集合物を構成する動産が現存している必要があります。
以上を踏まえると、実務上は、譲渡担保設定契約を締結する時点で集合物を構成する動産が存在する場合には、その動産について占有改定の意思表示を行うべきだと考えられます。
また、そのような動産を将来取得予定であることから現存していないというときには、将来譲渡担保設定者が集合物を構成する動産を取得したことを停止条件とする当該動産についての占有改定の意思表示を契約書に盛り込んでおくべきでしょう。
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具体的な契約において、契約書にどのような文言を盛り込むべきかは弁護士までお問い合わせください。
