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「何年も前に退会を申し出たのに、ゴルフ場からは『順番に返還している』と言われたまま」「据置期間はとうに過ぎているのに、手続をしないまま年数が経ってしまった」。ゴルフ会員権の預託金について、こうした状態が続いていて、預託金の時効が気になっている方は少なくありません。
預託金の返還を求める権利にも時効があり、ゴルフ場から時効を主張されると、返還を受けられなくなるおそれがあります。この記事では、預託金の時効がいつから進み、何年で完成するのか、ゴルフ場の回答を待っている間にも時効が進んでしまう理由、退会から年数が経っている場合に返還を求められるかの見分け方を解説します。

預託金は、据置期間が過ぎた後に退会して、はじめて返還を求められるようになります。時効は権利を行使できるようになった時から進むため、預託金の時効も、据置期間が過ぎたうえで退会を申し出た時から進むと考えられています。裁判例にも、退会を申し出た時から時効が進むとしたものがあります。
裏を返すと、退会を申し出ておらず、会員として年会費を払い続けている間は、預託金の時効は進んでいないと考えられます。時効が問題になるのは、主に「退会は申し出たが、預託金は返ってきていない」という状態が続いている場合です。
| いまの状況 | 時効の進み方の目安 |
| 退会を申し出ていない(会員を続けている) | 進んでいない |
| 据置期間が過ぎた後に退会を申し出た | 退会を申し出た時から進む |
| 据置期間の途中で退会を申し出た | 据置期間が過ぎた時から進む |
ゴルフ場を経営しているのは株式会社などの会社であることが多く、入会の契約は会社の営業のための取引にあたるとして、預託金の時効を5年とした裁判例があります。2020年4月の民法改正の後に入会した場合も、権利を行使できることを知った時から5年で時効が完成するのが原則です。多くの場合、退会を申し出てから5年が一つの目安になります。
ただし、ゴルフクラブを運営しているのが会社でない場合には、2020年3月以前の入会であれば時効が10年とされる可能性もあります。正確な期間は、入会の時期と運営している団体をふまえて確認する必要があります。

退会を申し出ると、ゴルフ場から「返還は申出の順番に行っている」「資金の目途が立ったら連絡する」などと回答されることがあります。この回答を受けて待っている方は多いのですが、待っている間も時効は進んでいる可能性があります。
時効が一から進み直す(更新される)のは、ゴルフ場が預託金を返す義務があることを認めた場合などです。たとえば、返還の時期や回数を示した書面や、預託金の一部の返還は、義務を認めたものと評価される可能性があります。一方、電話で「待ってほしい」と言われただけでは、後からその事実を示すのが難しいこともあります。ゴルフ場から届いた書面は、古いものも含めて捨てずに残しておくことが大切です。
また、ご自身で返還を求める手紙を送った場合、時効の完成が先に延びるのは、手紙が届いてから6か月間に限られます。その間に訴訟を起こすなどの手続をとらなければ、時効の完成は止まりません。時効の完成が近い場合は、通知と並行して訴訟の準備を進める必要があるため、残りの期間をふまえて進め方を決めることになります。
退会を申し出てから5年以上が経っていても、それだけで直ちに返還を求められなくなるわけではありません。次のような事情があれば、返還を求められる可能性が残っています。
どの事情が当てはまるかは、退会を申し出た時期と、その後にゴルフ場から届いた書面の内容を並べて確認します。年数が経っているからとあきらめる前に、ご相談ください。

退会を申し出た時期は、時効がいつから進んだのかを考えるうえで大事な事情です。退会届の控えが残っていなくても、ゴルフ場からの返信の日付や、年会費の請求が止まった時期などから、申し出た時期を推し量れることがあります。お手元に残っている資料で足りるかどうかは、こちらで確認します。
ゴルフ場がそう主張していても、時効が実際に完成しているとは限りません。時効がいつから進んだのか、途中でゴルフ場が義務を認めた書面がないかによって、結論が変わるためです。これまでのやり取りをうかがって、時効が完成しているかどうかをこちらで確認します。
時効を避けるために退会を先延ばしにする必要はありません。先延ばしにしている間も年会費の負担は続き、ゴルフ場の経営会社が民事再生などの手続に入れば、預託金が大きく減額されるおそれもあります。弁護士にご依頼いただいた場合は、退会と返還の請求を弁護士からまとめて通知し、その後の手続まで続けて進めるため、退会したまま放置される状態にはなりません。
会員が亡くなっても時効が一から数え直しになることはなく、相続人は、亡くなった方が退会を申し出た時から進んでいる時効をそのまま引き継ぎます。残りの期間が短いこともあるため、早めの確認が必要です。なお、相続放棄を考えている場合は、返還を求めることで相続放棄が認められなくなるおそれがあるため、返還を求める前にご相談ください。
弊所では、浜松・湖西をはじめ静岡県西部の方から、ゴルフ会員権の預託金の返還請求のご依頼をお受けしています。お電話またはお問い合わせフォームで、ゴルフクラブの名前、据置期間(または入会した時期)、退会を申し出た時期、その後ゴルフ場から届いた書面の有無をお知らせください。時効の点も含めて返還を求められる見込みを確認したうえで、進め方をご案内します。
弁護士費用は、回収できた預託金の中から精算します。費用と、ご依頼から入金までの流れは、関連記事「ゴルフ会員権の預託金は返ってくる?返還請求の流れと費用」でご案内しています。ご相談は、お電話・オンラインでも承ります。
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※本記事は一般的な解説です。実際の扱いは個別の事情により異なります。具体的なご判断は弁護士にご相談ください。