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「退会して預託金を返してほしいと伝えたのに、『いまは返還できない』『据置期間を延長した』と言われた」「会員権を売ろうとしたら、買取価格が入会時に預けた額とかけ離れていた」。ゴルフ会員権の預託金について、こうしたお悩みをお持ちの方は少なくありません。
預託金会員制のゴルフクラブであれば、ゴルフ場に預けたお金は、一定の条件を満たすと返還を求められる可能性があります。この記事では、返還を求められるかどうかの見分け方、会員権を売却する場合との違い、弁護士に依頼した場合の流れと費用をまとめて解説します。

結論からいうと、預託金会員制のゴルフクラブで、会則などに定められた据置期間が過ぎていれば、退会を申し出て預託金の返還を求められるのが原則です。据置期間とは、入会してから預託金の返還を求められるようになるまでの期間のことで、10年などと定められていることが多いです。
ゴルフ場から「据置期間を延長した」と通知されている場合でも、あきらめる必要はありません。最高裁判所の判決(昭和61年9月11日)は、会則で定めた据置期間を延ばすことは会員の契約上の権利を変えることにほかならないから、会員の個別の承諾が必要であり、承諾していない会員には延長の効力を主張できないと判断しています。延長の通知を受け取っただけで、同意する書面を返していなければ、返還を求める余地が残っている可能性があります。
| 確認すること | どこを見るか | 目安 |
| 会員の種類 | 会員証書・入会時の書類 | 「預託金」「預り金」の記載があれば預託金会員制。株主会員制・社団法人制は対象外 |
| 据置期間 | 会則・会員証書 | 入会(または開場)から定められた期間が過ぎているか |
| 延長への同意 | ゴルフ場からの通知・返送した書類 | 延長に同意する書面を返していないか |
| 退会・請求の時期 | ゴルフ場とのやり取り | 退会を申し出てから、長い間そのままにしていないか |
株主会員制や社団法人制のゴルフクラブは、ゴルフ場に預託金を預ける仕組みではないため、ここでいう返還請求の対象になりません。また、退会を申し出たまま長い間そのままにしていると、時効により請求できなくなるおそれがあります。心当たりがある場合は、早めに状況を確認することが大切です。
ゴルフ場から、据置期間の延長に同意する書面が送られてきて、署名して返送するよう求められることがあります。前述の最高裁判所の判決は、承諾していない会員には延長の効力が及ばないとするものなので、署名して返送すると、延長を承諾したものと扱われるおそれがあります。署名や返送をする前にご相談ください。

会員権を手放す方法には、会員権業者を通じて売却する方法と、退会して預託金の返還を求める方法があります。どちらが有利かは、会員権の相場と預託金の額の差によって変わります。
| 比べる点 | 売却する | 退会して返還を求める |
| 受け取れる金額 | 市場の相場(預託金の額を大きく下回ることがある) | 預託金の額が基準 |
| かかる時間 | 比較的短い | ゴルフ場の対応によっては半年から1年ほど |
| 費用 | 仲介手数料など | 弁護士費用(回収した金額から精算) |
| その後のプレー | 会員権は買主に移る | 退会するため、会員としてのプレーはできなくなる |
相場が預託金の額を大きく下回っているときは、返還を求めるほうが受け取れる金額が多くなる可能性があります。一方で、返還請求は退会が前提なので、そのゴルフクラブで会員としてプレーを続けることはできなくなります。どちらを選ぶかは、相場と預託金の額を並べてご説明します。
会員権を相続した方は、名義書換をして会員を続けるほか、退会して預託金の返還を求められる場合があります。名義書換にはゴルフ場所定の名義書換料がかかることが多いため、手続をする前に、会員権の相場と預託金の額を比べておくことが大切です。相続人が複数いる場合は、どなたが会員権を引き継ぎ、手続を進めるのかも整理しておく必要があります。
ただし、亡くなった方に借金などがあり、相続放棄を考えている場合は注意が必要です。預託金の返還を求めると、相続したことを前提にした行動とみなされ、相続放棄が認められなくなるおそれがあります。返還を求める前にご相談ください。
ゴルフ場から「何年かに分けてなら返還する」と提案されることがあります。提案に応じて合意すると、その回数や期間に拘束され、あとから条件を変えるのは難しくなります。また、途中で支払いが止まったときの取決めが入っていない合意は、回収の面で不利になりかねません。合意書に署名する前に、その条件が妥当かどうかをご相談ください。
ご本人が退会と返還を申し出ても、「据置期間を延長した」「資金に余裕がない」などを理由に、返還を先延ばしにされることが少なくありません。書面でやり取りを重ねても、ゴルフ場が応じなければ話はそこで止まってしまいます。
弁護士が代理人になると、据置期間の延長をめぐる判例などをふまえてゴルフ場の主張に反論し、応じない場合は訴訟を起こして、判決や和解による解決を目指すことができます。ゴルフ場とのやり取りや裁判の手続は弁護士が行うため、ご本人がゴルフ場と直接交渉する必要はありません。
ゴルフ場の対応によって異なりますが、これまでの事案では、ご依頼から入金まで半年から1年ほどかかっています。支払いは一括のこともあれば、数回に分けて支払われることもあります。
ゴルフ場の経営会社が民事再生などの法的な手続に入ると、預託金はその手続の中で大きく減額されることがあります。また、前述のとおり、退会を申し出た後に長く放置すると時効の問題も生じます。据置期間が過ぎているのであれば、返還を求めるかどうか迷っている段階でも、早めに見込みを確認しておくことをおすすめします。
| 項目 | 費用 |
| 初回相談 | 無料 |
| 報酬 | 回収できた金額の22%(税込) |
| 実費(訴訟の印紙代・郵便切手代など) | 回収した金額から精算 |
報酬と実費は、ゴルフ場から支払われた預託金の中から差し引いて精算します。会員権を複数口お持ちの場合も、口ごとに同じ考え方で計算します。

会員証書をなくしていても、返還を求められる場合があります。会員証書は会員であることや預託金の額を示す資料の一つですが、年会費の請求書や入会時の書類など、ほかの資料から会員であることを確認できることもあります。お手元に残っている資料で足りるかどうかは、こちらで確認します。
滞納している年会費は、返還される預託金から差し引かれるのが一般的で、滞納があるからといって直ちに返還を求められなくなるわけではありません。滞納が長く続いた場合の扱いはゴルフクラブの会則によって異なるため、会則の定めとあわせてこちらで確認します。
名義書換によって会員の地位を譲り受けた場合、預託金の返還を求める権利も原則として引き継がれるため、最初に預託金を預けた方でなくても返還を求められる可能性があります。ただし、会則に譲り受けた方の請求を制限する定めが置かれていることもあるため、会則の内容をふまえてこちらで確認します。
まとめてご依頼いただけます。据置期間や預託金の額、延長の通知の有無は、ゴルフクラブごと・口ごとに異なることが多いため、それぞれについて返還を求められるかを確認したうえで、進め方をご説明します。
預託金会員制であれば、法人会員権でも返還を求められる点は個人の会員権と同じです。法人会員権は会社が会員となり、実際にプレーする方を登録する形が多いため、返還を求めるのは会社になります。登録していた方が退職した場合の扱いなどは会則によって異なるため、会則の定めや登録の状況をふまえてこちらで確認します。
弊所では、浜松・湖西をはじめ静岡県西部の方から、ゴルフ会員権の預託金の返還請求のご依頼をお受けしています。まずはお電話またはお問い合わせフォームで、次の点をお知らせください。返還を求められる見込みを確認したうえで、進め方と費用をご案内します。
ご相談は、お電話・オンラインでも承ります。
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※本記事は一般的な解説です。実際の扱いは個別の事情により異なります。具体的なご判断は弁護士にご相談ください。