よい ゴール0120-410-506
支払いが止まったまま何年も経った借金について、ある日突然、請求の書面が届くことがあります。時効援用を自分で行うことは法律上できますし、費用も郵便料金だけで済みます。ただ、進め方を誤ると、本来使えたはずの時効が使えなくなってしまうことがあります。この記事では、自分で手続きを進める場合の流れと起こりやすい失敗、弁護士に依頼した場合との違いを、浜松の弁護士が解説します。

時効の援用とは、時効の利益を受けるという意思表示を相手方に対してすることをいいます(民法145条)。弁護士でなければできないという決まりはなく、ご本人が行うこともできます。かかるのは内容証明郵便の郵便料金などの実費だけで、金額としては1,500円前後です(郵便料金は改定されることがあります)。
難しいのは書面の文面ではなく、その前提となる事実の確認のほうです。いつから期間が進んでいるのか、その間に時効が更新される出来事がなかったのか。ここを取り違えると、請求が止まらないばかりか、次に述べるように、かえって不利な状況を自分で作ってしまうことがあります。
通知の様式に決まりはありません。定型的な文面でも、宛先と対象の借金が特定できていて、援用する意思が示されていれば足ります。逆にいえば、この4つのうち失敗が起きやすいのは書面を作る場面ではなく、その前後にあります。

請求元に電話をして「少しずつなら払える」「いまは待ってほしい」と伝えると、借金があることを認めた(承認)と評価され、時効が更新されて、そこから数え直しになる可能性があります(民法152条1項)。少額でも支払ってしまった場合や、分割の相談に応じた場合も同じです。相手は督促のなかでこうした言葉を引き出そうとすることがあり、確認のつもりで電話をしたことが結果を左右してしまいます。
最後の返済から5年というのは一つの目安ですが、起算点の考え方は契約の内容や返済期日の定めによって異なります。また、過去に裁判を起こされて判決が確定している場合や、届いた支払督促を放置してそのまま確定してしまった場合は、確定した時から10年と期間が長くなります(民法169条1項)。記憶だけで判断してまだ完成していない時効を援用すると、相手に居場所と支払う意思の有無を知らせるだけの結果になりかねません。
援用は、相手方に到達してはじめて効力を生じます。電話で伝えただけ、普通郵便で送っただけでは、後になって「そのような通知は受け取っていない」と争われたときに、送ったことも内容も証明できません。内容証明郵便に配達証明を付けて送るのは、この二つを同時に残すためです。
通知を送った後でも、債権者が支払督促を申し立てたり訴訟を起こしたりしてくることがあります。裁判所からの書類には期限があり、支払督促に対する督促異議は受け取った日の翌日から2週間です。期限内に手続をとらないと、相手の言い分のとおりに手続が進んでしまいます。時効を主張できる場面が残っていても、この期限を落とすと立て直しに時間と費用がかかります。
複数の会社から請求が来ている場合、最後の返済の時期も、その後のやり取りも会社ごとに違います。1社に通知を出したことで、ほかの会社の分まで解決するわけではありません。また、債権が転々と譲渡されているときに、いまの債権者ではない相手に送っても効力は生じず、その間も期間だけが過ぎていきます。
時効期間が過ぎただけでは、借金が自動的に消えるわけではありません。援用の意思表示をしてはじめて、支払義務を免れることになります。何もせずに放置している間に裁判を起こされると、期間の計算はやり直しになります。
インターネット上には通知の書式が数多くあり、文面自体で失敗することはあまりありません。判断が必要なのは、援用できる状態かどうかの見極めと、相手が争ってきたときの対応です。体裁が整っていても、前提を誤っていれば結果は変わりません。
ご依頼いただいた場合、弁護士から受任通知を送ることで、貸金業者からご本人への直接の取立ては止まります。うっかり応対して承認と評価されてしまう場面そのものをなくせる点が、ご自身で進める場合との一番の違いです。
相手が時効の完成を争ってきたときには、その根拠を確認したうえで対応します。援用が難しいとわかった場合には、返済の負担を軽くする別の方法をご提案できることもあります(その手続きを実際に進める場合は別途費用がかかります)。
| ご自身で行う場合 | 弁護士に依頼した場合 | |
| 費用 | 郵便料金などの実費(1,500円前後) | 1社5.5万円(税込)〜 |
| 債権者からの連絡 | ご自身で応対することになります | 受任通知の後は弁護士が窓口になります |
| 時効が完成しているかの判断 | 資料と記憶をもとにご自身で判断します | 届いた書面やこれまでの経過から見立てをお伝えします |
| 相手が争ってきた場合 | ご自身で反論を検討します | 反論の根拠を確認して対応します(裁判手続への対応は別途費用) |
| 援用できなかった場合 | 改めて方法を探すことになります | 別の整理方法をご提案します(実際に進める場合は別途費用) |
当事務所で時効援用をご依頼いただく場合の費用は、1社5.5万円(税込)〜です(分割払いには対応していません)。この費用に含まれるのは、時効援用通知の送付と、時効が完成したことの確認までです。相手が裁判を起こしてきた場合の対応や、任意整理などほかの手続きに切り替える場合は、別途費用が必要になります。初回のご相談は無料です。

A. 通知が相手に届いていれば、援用の効力そのものは生じています。それでも相手が「時効は成立していない」と考えていれば、請求は止まりません。この段階でご本人がやり取りを続けると、言った言わないの争いになりやすく、とっさの返答が後で不利に働くこともあります。ご依頼いただければ、弁護士が窓口になって直接の連絡は止まり、相手の言い分の根拠(過去に裁判をした、支払いがあった等)の確認もこちらで行います。ご自身で通知を出した後の状態からでもお引き受けできます。
A. 援用は、借りたご本人や保証人など、権利の消滅について正当な利益がある方が行う意思表示です。ご家族が代理人として行うには、本人からの委任が必要になります。それよりも気をつけていただきたいのは、ご本人以外の方が請求の電話に応対して支払いを約束してしまう場面です。事情によっては、後の主張が難しくなることがあります。ご家族あてに督促が来ている段階でも、どなたの名義でどう対応するかを含めてご相談いただけます。
A. 保証人も、時効を援用することができる当事者に含まれると定められています(民法145条)。主債務について時効が完成していれば、保証人の側から援用することが考えられます。届いている書面の内容から、援用できる状態かどうかの見極めも含めてお引き受けできます。
A. 相続人は、原則として借金の支払義務も引き継ぎます。もっとも、相続放棄をすれば、はじめから相続人でなかったことになり、その借金を引き継ぎません。気をつけていただきたいのは順番です。相続人として時効援用の通知を出すことは、相続することを前提にした行為とみられ、その後の相続放棄が認められなくなるおそれがあります。相続放棄には期間の制限もあり(原則として相続の開始を知った時から3か月)、ほかに引き継ぐ財産があるかどうかでも選び方が変わります。通知を出す前にご相談ください。
しばらく取引のなかった会社から突然請求が届いた、家族あてに督促の電話がかかってきた、といったご相談を承っています。時効援用は、送る前の見極めと、送った後に届く書面への対応が結果を分けます。請求元に返事をする前に、一度ご相談ください。ご相談はお電話・オンラインでも承っています(初回相談無料)。
あわせて読みたい(関連記事)
▶ 時効の更新とは?借金の時効が振り出しに戻ってしまうケース
▶ 支払督促・訴状が届いたら?放置の危険と時効援用でできること
▶ 受任通知で取り立てが止まる?弁護士に依頼した後の流れと注意点
ご相談
参考(外部サイト)
※本記事は一般的な解説です。実際の扱いは個別の事情により異なります。具体的なご判断は弁護士にご相談ください。