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「もう何年も前の借金だから時効のはず」と思っていても、途中で時効の更新(時効期間のリセット)が起きていると、それまで数えてきた期間が振り出しに戻り、時効援用ができなくなることがあります。督促に動揺してとった何気ない対応が、そのきっかけになってしまうことも少なくありません。この記事では、時効が振り出しに戻る主な事由と、うっかり時効を台無しにしてしまいやすい場面、いったん更新されてしまった後の考え方を、浜松のリコネス法律事務所の弁護士が解説します。

借金には消滅時効があり、一定の期間が過ぎたうえで時効援用をすれば、支払い義務を消せる可能性があります。ところが、一定の事情があると、進んでいた時効期間がゼロに戻ってあらためて数え直しになったり、時効の完成が先延ばしになったりします。前者を時効の更新、後者を完成猶予といいます(2020年施行の改正民法前は「中断」「停止」と呼ばれていました)。
更新(リセット):それまで進んでいた期間がなかったことになり、新たにゼロから数え直しになります。
完成猶予(一時停止):一定の間だけ時効の完成が先延ばしになります。期間そのものがリセットされるわけではありません。
「振り出しに戻る」と大きく影響するのは更新のほうです。まずは、どんなときに更新が起きるのかを押さえておきましょう。
債権者が訴訟や支払督促といった裁判手続きをとり、判決や仮執行宣言付支払督促などが確定すると、時効は更新されます。しかも確定した後は、時効期間が原則として10年に延びます。裁判所から書類が届いたのに放置して確定させてしまうと、たとえそれまでに時効期間が過ぎていても援用できなくなり、かえって不利になります。
借金があること自体を認める行為を債務の承認といい、これがあると時効は原則としてリセットされます。少額でも入金する、「分割で払う」と約束する、支払いの猶予を申し入れる、債権回収会社から示された債務確認書や和解書に署名する——こうした行為はいずれも承認にあたる可能性があります。書面だけでなく、電話でのやり取りが承認と評価されることもあります。
給与や預金の差押えといった強制執行も、時効に影響します(差押えなどの強制執行は原則として更新、仮差押え・仮処分は一定期間の完成猶予にあたります)。過去にこうした手続きを受けたことがある場合は、時効の起算点が変わっていることがあります。
次のような場合は、時効の完成が一定期間先延ばしになる完成猶予にとどまり、それだけで期間がリセットされるわけではありません。
催告(内容証明などによる請求):債権者が支払いを請求すると、原則として6か月間は時効の完成が猶予されます。ただし、その間に債権者が訴訟などを起こせば、あらためて更新につながることがあります。
協議を行う旨の合意:支払いについて話し合う旨を書面で合意すると、一定期間、完成が猶予されます。
つまり、請求書や督促状が届いただけ・内容証明が届いただけでは、ただちに時効が振り出しに戻るわけではありません。問題になりやすいのは、それに対してこちらが承認にあたる対応をしてしまうことです。

時効が完成している可能性があるのに、次のような対応をしてしまうと、債務の承認として時効が振り出しに戻ってしまうおそれがあります。
督促が届くと不安で「まず連絡しなければ」と感じますが、まずは落ち着いてください。届いた通知や請求書はそのまま保管し、自己判断で連絡・入金・署名をする前にご相談いただくのが安全です。ご相談の内容や、届いた書類・これまでの状況をふまえて、時効援用の見込みを確認できます。
一度承認してしまったり、判決が確定したりしても、そこで整理をあきらめる必要はありません。承認によって時効が更新された場合でも、その時点からあらためて所定の期間(判決確定なら原則10年)が経過すれば、再び時効援用ができる可能性があります。いつ・どんな承認や裁判があったのかという時系列が重要になりますので、過去のやり取りを整理してご相談ください。
確認の結果、時効がまだ使えないと分かった場合でも、任意整理で利息をカットして返済を組み直す、個人再生や自己破産で借金そのものを減額・免除するなど、収入や生活の状況に応じた別の解決方法に切り替えられます。
当事務所の時効援用は、1社あたり5.5万円(税込)〜、初回相談は無料です。時効援用は分割払いの対象外となります(任意整理・個人再生・自己破産などは費用の分割払いに対応しています)。なお、時効援用の通知後に訴訟を起こされた場合の対応や、時効が使えず他の手続きへ切り替える場合は、別途費用が必要になります。

A. 時効は援用して初めて効力が生じるため、期間が過ぎていても、援用するまで借金そのものは残っています。そのため、督促や請求自体が直ちに違法になるわけではありません。だからこそ、届いた督促への対応を誤って債務の承認になってしまわないよう、注意が必要です。
A. 債務の承認による更新では、承認の時点から原則として5年(契約の内容によっては10年)を数え直します。判決などが確定した場合は、確定から原則10年です。数え直した期間が再び満了すれば、あらためて時効援用できる可能性があります。その間に差押えなどがあったかどうかでも変わりますので、確認が必要です。
A. 催告(請求)は原則6か月間、時効の完成を先延ばしにする完成猶予にとどまり、それだけで期間がリセットされるわけではありません。なお、催告を繰り返しても猶予期間が延びるわけではなく、再度の内容証明で時効が更新されるわけでもありません。ただし、その間に訴訟などを起こされると更新につながることがあります。
A. 過去の裁判・入金・承認の有無によって結論が変わり、ご自身での判断が難しい場面です。届いた書類を保管したうえで、弁護士にご確認いただくのが安全です。
リコネス法律事務所は、債務整理(時効援用・任意整理・個人再生・自己破産)に注力しています。「昔の借金を請求されたが、時効になっているのか分からない」「うっかり払うと言ってしまったかもしれない」——そんな段階で構いません。お手元の通知を写真やコピーでお送りいただければ、時効の更新の有無もふまえて援用の可能性を確認します。初回相談は無料、ご相談はお電話・オンラインでも承ります。早く動くほど取れる選択肢が広がりますので、お気軽にご相談ください。
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※本記事は一般的な解説です。実際の扱いは個別の事情により異なります。具体的なご判断は弁護士にご相談ください。