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「個人再生なら家を残せると聞いたけれど、自分の家でも本当に使えるのか」。住宅ローン特則は、個人再生で住宅ローンを払い続けながら、ほかの借金だけを減らして自宅を残すための制度ですが、どの家・どのローンでも使えるわけではありません。
名義が夫婦の共有になっている、家の一部を店舗にしている、住宅ローンの返済が遅れ始めている、といった事情があると、使えるかどうかの判断が分かれることがあります。この記事では、住宅ローン特則を使えるかどうかを分ける条件を、迷いやすい例とあわせて解説します。

住宅ローン特則(法律上は「住宅資金特別条項」といいます)を使えるかどうかは、主に次の4つで決まります。どれか1つでも当てはまらないと、原則として使えません。
| 確認すること | 条件 | 迷いやすい例 |
| 家 | 本人が所有し、自分で住んでいる建物であること | 夫婦の共有名義/店舗や事務所と兼用/単身赴任中 |
| ローン | 家を買う・建てる・改良するためのローンであること | 借り換えたローン/リフォームのローン |
| 担保 | 家に、住宅ローン以外の借金のための抵当権が付いていないこと | 事業資金や不動産担保ローンの抵当権 |
| 時期 | 住宅ローンを滞納して保証会社が代わりに返済(代位弁済)した場合は、そこから6か月以内に申し立てること | 住宅ローンの滞納が続いている |
住宅ローン特則で残せるのは、個人再生をする本人が所有していて、本人が住んでいる建物です。親や配偶者の単独名義の家に住んでいる場合は、本人の所有ではないため対象になりません。
家が夫婦の共有名義でも、本人が持分を持っていれば、住宅ローン特則を使える可能性があります。注意が必要なのは、夫婦がそれぞれ住宅ローンを組むペアローンです。家に夫と妻それぞれのローンの抵当権が付いているため、一方だけが個人再生をすると、もう一方のローンの抵当権が「ほかの担保」にあたり、使えないと判断されるおそれがあります。夫婦そろって申し立てることで認められる扱いもあるため、申し立てる裁判所の運用をふまえて進め方を決めます。
家の一部を店舗や事務所として使っていても、床面積の2分の1以上を自分の住まいとして使っていれば、対象になります。反対に、住まいとして使っている部分が半分に満たない場合は、住宅ローン特則を使えません。
転勤や単身赴任で一時的に家を離れていても、家族が住み続けていて、本人も将来戻る予定であれば、自分の住まいとして扱われる可能性があります。一方、家を人に貸していて戻る予定がない場合は、対象から外れるのが原則です。
対象になるのは、家の購入や建築、リフォームなどの改良のために借りたお金で、分割で返しているローンです。最初の住宅ローンを別の金融機関で借り換えた場合も、借り換え後のローンが家のためのものであることに変わりはなく、対象になると考えられています。
一方、使いみちを決めずに借りられる多目的ローンや、家を担保にして生活費などに充てたローンは、家に抵当権が付いていても住宅ローン特則の対象になりません。

家や敷地に、住宅ローン以外の借金のための抵当権が付いていると、住宅ローン特則は使えません。たとえば、自営業の事業資金を借りる際に家を担保に入れた場合や、不動産を担保にしたローンを別に借りている場合です。住宅ローンを払い続けても、ほかの抵当権によって家が競売にかけられるおそれが残るためです。
家の登記には、過去に完済した借金の抵当権が消されずに残っていることもあります。完済済みであれば、抹消の手続きをすることで問題にならないことが多いため、登記の内容を確認したうえで判断します。
住宅ローンを予定どおり払えていれば、時期の条件が問題になることはありません。気をつけたいのは、返済が遅れ始めている場合です。
住宅ローンの返済が数か月遅れると、残りを一括で返すよう求められ、保証会社が金融機関に代わりに返済(代位弁済)するのが一般的な流れです。その後、保証会社は家の競売の手続きに進みます。
代位弁済がされた後でも、6か月以内に個人再生を申し立てれば、住宅ローン特則を使って、元の住宅ローンを分割で払い続ける形に戻せる可能性があります。6か月を過ぎると原則として使えなくなるため、滞納が始まった段階で動き出すことが大切です。滞納している分は、再生計画の返済期間の中で、ほかの返済とあわせて払っていく形をとれることがあります。
住宅ローン特則は、住宅ローンを減らす制度ではなく、住宅ローンを払い続けることを認めてもらう制度です。減るのは住宅ローン以外の借金で、個人再生の返済額は、借金の総額で決まる最低限の返済額(最低弁済額)と、財産の価値(清算価値)のうち、高いほうになります。家の価値が住宅ローンの残高を上回る場合は、その差額が清算価値に加わるため、返済額が上がることがあります。差額を加えても清算価値が最低弁済額に届かなければ、返済額は変わりません。
そのため、住宅ローンと再生計画による返済の合計を、毎月払い続けられるかどうかが、家を残せるかどうかの現実的な分かれ目になります。
弊所の個人再生の費用は33万円(税込)〜で、分割払いにも対応しています。このほか、裁判所に納める予納金などの実費がかかり、個人再生委員が選ばれる場合は、その報酬にあてる予納金が必要になることがあります。お問い合わせの際に、家の名義と住宅ローンの状況、ほかの借入れをうかがい、初回のご相談で、住宅ローン特則を使えるかどうかの見通しと費用をご説明します。

住宅ローン特則を使う場合、住宅ローンはこれまでどおり払い続けるため、住宅ローンの保証人が代わりに請求を受けることは通常ありません。ただし、住宅ローン以外の借金に保証人が付いている場合は、その借金は減額の対象になり、保証人に残りが請求されます。どの借金に誰が保証人になっているかをうかがって、影響の出方をこちらで整理します。
同じ銀行のカードローンも個人再生の対象になり、減額されます。その際、その銀行の口座の預金がカードローンの返済に充てられたり、口座が一時的に使えなくなったりすることがあるため、給与の振込先をほかの銀行に変えておく必要があります。住宅ローンは特則によって払い続けられるため、カードローンを対象にしたことで家を失うわけではありません。
住宅ローン特則を使う場合は、申立ての前後を通じて、住宅ローンの支払いを続けるのが基本です。住宅ローン以外の借金は、ご依頼の後は返済を止めていただきますが、一部の相手にだけ返すことは避けていただく必要があります。どの支払いを続け、どれを止めるかは、ご依頼の際にこちらでご説明します。
弊所では、浜松・湖西・豊橋の方から、住宅ローン特則を使った個人再生のご依頼をお受けしています。お電話またはメールで、家の名義(単独か共有か)、住宅ローンの借入先と残高、返済の遅れの有無、住宅ローン以外の借入れをお知らせください。住宅ローン特則を使えるかの見通しを確認したうえで、ご相談の日程をご案内します。ご相談は、お電話・オンラインでも承ります。
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※本記事は一般的な解説です。実際の扱いは個別の事情により異なります。具体的なご判断は弁護士にご相談ください。