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しばらく連絡のなかった実家に、消費者金融や債権回収会社から督促の手紙が届く——亡くなった親の借金について、ご家族から受けるご相談です。親の借金を家族が当然に引き継ぐわけではありませんし、何年も前の借金であれば、時効によって支払義務がなくなっていることもあります。ただし、動き出す順番を間違えると、使えたはずの相続放棄ができなくなるおそれがあります。この記事では、督促が届いたときに何から確認すればよいのかを、順番に沿って整理します。

お金を借りたのは親本人ですから、保証人になっていない限り、ご家族に支払う義務はありません。ご家族あてに支払いを求める連絡があっても、その場で支払いを約束する必要はありません。古い借金であれば本人が時効を援用できることもありますが、その手続きは本人の意思で行うものですので、ご本人の意向を確かめたうえで検討することになります。
相続によって、預貯金や不動産などのプラスの財産と一緒に、借金も相続人に引き継がれます。督促が来て初めて借金の存在を知った場合でも、この点は変わりません。もっとも、相続放棄をすれば、はじめから相続人でなかったものとして扱われ、借金を支払う義務も負いません(民法939条)。
古い借金だから時効で片づけよう、と考えて先に時効援用の通知を出してしまうと、相続することを前提にした行為とみられ、その後の相続放棄が認められなくなるおそれがあります(法定単純承認・民法921条1号)。通知を出す前に、放棄を検討すべき場面かどうかを判断する必要があります。
相続放棄には期間制限があります。原則として、自分のために相続の開始があったことを知った時から3か月です(民法915条1項)。督促が届いてから何をすべきか調べ始めると、この3か月は思いのほか早く過ぎてしまいます。期間が過ぎているように見える場合でも、いつから数えるのかは事情によって考え方が変わりますので、自分で結論を出さずにご相談ください。
判断の材料になるのは、借金以外にどれだけ財産があるかです。めぼしい財産がなく借金だけであれば、相続放棄で対応できることが多くあります。一方、残したい自宅や預貯金があるときは、相続したうえで時効援用を検討する、という順序になります。どちらが適しているかは、財産の内容と借金の時期によって変わりますので、届いた書面の内容を確認したうえでご説明します。
亡くなった方の借金の時効は、相続によって数え直しになるわけではありません。生前の取引の状況をそのまま引き継いで考えます。消費者金融やカード会社からの借入れでは、最後の返済から5年が一つの目安になりますが、起算点の考え方は契約の内容によって異なります。
また、期間が過ぎていれば自動的に借金が消えるというものでもありません。相手方に対して「時効を援用する」という意思表示をして、初めて支払義務がなくなります。この援用は、相続人の立場でも行うことができます。ただし、前の項目のとおり、相続放棄との順番の問題がありますので、通知を出す前にご相談ください。

相続人がとった行動は、二重の意味を持つことがあります。支払いや支払いの約束は、借金を認めたもの(承認)として時効が更新され、経過した期間がリセットされる原因になります(民法152条1項)。それと同時に、相続を前提とした行為として、相続放棄ができなくなる方向にも働きます。
相手方は、この一言を引き出すために連絡をしてくることがあります。電話に出てしまった場合でも、その場で支払いの話に応じる必要はなく、「弁護士に相談します」と答えていただいて構いません。届いた書面は、日付の分かる状態で残しておいてください。
もう一つ気をつけたいのは、こちらから問い合わせの電話をかけることです。督促が親御さん本人あてのまま届いている場合、相手方は亡くなったことも、誰が相続人かも把握していないことがあります。事情を説明するつもりの連絡が、請求先を確定させるきっかけになることもありますので、対応を決める前にご相談ください。
| いまの状況 | まず検討すること | 注意したい点 |
| 親は存命で、家族あてに請求が来た | 支払義務があるか(保証人になっていないか)の確認 | 家族が代わりに支払わない |
| 亡くなって3か月以内・借金だけ | 相続放棄 | 親の財産に手をつけない |
| 亡くなって3か月以内・残したい財産がある | 相続したうえで時効援用を検討 | 先に時効援用の通知を出さない |
| 亡くなって3か月を過ぎている | 期間をいつから数えるかの確認 | 自分で結論を出さず早めに相談する |
時効援用は1社5.5万円(税込)からお受けしています。費用の範囲は、時効援用の通知の送付と、時効が完成しているかどうかの確認までです。裁判所の手続への対応や、ほかの手続きに切り替える場合は別途費用がかかります。相続放棄の手続きもあわせてお引き受けする場合の費用は、事情をうかがったうえでご説明します。初回のご相談は無料です。

A. 相続放棄をした方は、はじめから相続人でなかったものとして扱われます。そのため、お子さんが代わりに相続人になる(代襲する)ことはありませんが、ご兄弟が全員放棄すると、次の順位の方(亡くなった方の親、いない場合は兄弟姉妹)に相続権が移り、そちらへ請求が行くことがあります。親族の範囲でどこまで足並みをそろえるかも含めて、ご相談の際に整理します。
A. 1社から督促が届いている場合、ほかの会社からの借入れが残っていることもあります。会社ごとに借入れの時期も最後の返済の時期も違いますので、時効が完成しているものと、そうでないものが混ざることも珍しくありません。届いた書面や、亡くなった方あてに届く郵便物をお持ちいただければ、どこまで確認できるか、どの会社について時効援用ができそうかをご説明します。
A. 保証人としての義務は、相続とは別に、ご自身が契約によって負っているものです。そのため、相続放棄をしても保証人としての支払義務は残ります。ただし、保証した借金についても年数の経過によって時効が問題になることがありますので、契約の時期と最後の返済の時期を確認したうえでご説明します。
亡くなった方の借金は、放っておくうちに相続放棄の期限が過ぎ、選べる方法が減っていきます。督促の書面が届いた段階でご相談いただければ、相続放棄と時効援用のどちらで対応できるのかを、こちらで確認してご説明します。浜松・湖西・豊橋を中心に、お電話やオンラインでのご相談も承っています。まずは、届いた書面に書かれている会社名と金額、親御さんが亡くなった時期をお聞かせください。
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※本記事は一般的な解説です。実際の扱いは個別の事情により異なります。具体的なご判断は弁護士にご相談ください。